中島真奈美【家族の宝物】


カンニング中島さんの闘病生活の中綴った日記を、奥様である真奈美さんが当時の様子を述べながら進んでいく、闘病日記ともまた違った内容です。久々に鼻水垂らすほど泣いた。





最後まで奥様と愛息子の事ばかり考えていた中島さんの、人柄が伝わってくる、とてもいい本でした。特別ファンだったわけじゃないです。けれど、「いつ戻ってくるのかなぁ」とか「もうダメなのかなぁ・・」とか相方・竹山氏をテレビで見かけるたびに頭を過ぎってました。こういう人は少なくないと思う。あたしの中でずっと生き続けてる、なんて言うつもりはさらさらありません。ただ、カンニング中島という芸人がいた事を、覚えていたいと、ずっと覚えていようと、そう思いました。



読み終えてから、大切な人を亡くしたときの事を思い出した。あたしはその時、悲しいとか寂しいとかよりも、簡単に奪われていく体温に、あっさり冷たくなっていく頬に、ただただ怖くなった。怖くて、ただ怖くてたまらなくて、上手にお別れを言えなかった。今でもそれを、悔いている。